平成22年に、都心と成田空港を約30分台で結ぶ成田新高速鉄道の開通が予定されています。
運行するのは京成電鉄㈱で、北総鉄道㈱が保有する線路等を使ってスカイライナータイプ、一般特急を運行する予定となっています。
当協議会では、この成田新高速鉄道の開通が北総線の高運賃是正の好機であると考えています。
成田新高速鉄道が、北総鉄道㈱が保有する線路を使って運行するということは、成田新高速鉄道を運行する京成電鉄㈱から北総鉄道㈱に線路使用料が支払われ、新たな収入により北総鉄道㈱の経営が改善され、運賃値下げにつながるのではないかと期待しています。
◆成田新高速鉄道の路線図

※写真はイメージです。
[京成電鉄㈱のホームページより]
【懸念事項】
1.線路使用料の問題
◆線路使用料の整合性について
◆成田新高速鉄道の事業計画における線路使用料について
一方で、京成電鉄㈱から北総鉄道㈱に適正な線路使用料が支払われないのではないかという懸念もあります。
平成13年3月に、国や県、京成電鉄㈱等が参画してまとめられた「成田新高速鉄道事業化推進に関する調査」によると、北総鉄道㈱が成田新高速鉄道の運行に伴って受け取る線路使用料は、維持管理費のみとされています。
北総鉄道㈱は、過去に投資した膨大な線路敷設費用により、約1200億円以上の負債を抱え、年間60億円以上もの負債の償還を行っていますが、もし、適正な線路使用料が支払われなければ、線路を利用する事業者のうち北総線の所有者である北総鉄道㈱のみが今後も線路敷設費用の負担をし続け、借りる側である京成電鉄㈱が負担しないという不公平が生じます。また、北総鉄道㈱が過去に投資した膨大な線路敷設費用について、都心から成田新高速鉄道に乗って、成田空港を利用する人は負担せず、千葉ニュータウン沿線住民が継続して高運賃で負担するという極めて不公平な形にもなってしまうのではないでしょうか。
同報告書によると、成田新高速鉄道が通過する他の鉄道施設保有者に対しては、投資額を加味した線路使用料が設定されているのです。
また、現在では北総鉄道㈱は、京成電鉄㈱の100%子会社の千葉ニュータウン鉄道㈱が所有する小室から印旛日本医大間も運行していますが、その線路使用料として、同区間の運賃収入相当額の約22億円(H19年度)を北総鉄道㈱から千葉ニュータウン鉄道㈱へ支払っています。このことは、北総鉄道㈱が、同区間の鉄道運行事業から一切利益をあげられない極めて厳しい状況を生みだしています。
当協議会では、これら線路使用料問題について、鉄道事業者や線路使用料を認可する国に対し、線路使用料に関する差別的取扱いのないよう、要望しています。また、京成電鉄㈱と北総鉄道㈱は、親子会社の関係であることもあり、これら取引の透明性(線路使用料算定の根拠)を確保するよう求めています。
2.二重運賃の問題
成田新高速鉄道開通後は、一般特急が上野-成田空港間を運行しますが、千葉NT中央駅等、一部北総線の駅にも停車します(予定)。この特急の運賃について、現在の京成線(上野-高砂)、北総線(高砂-印旛日医大)の運賃体系が継続されると、同じ成田新高速線でありながら、区間によって運賃体系が異なること(二重運賃)になってしまいます。(上野-高砂(12.7km):250円・新鎌ヶ谷-千葉NT中央(11.1km):570円)
また、成田新高速鉄道開通後も北総線の高運賃が継続される場合、乗車距離が短いにもかかわらず、運賃が高くなるという「逆転運賃」現象も想定されます。
都心から成田空港行きの成田新高速鉄道に乗った場合、北総線区間で降車した人が、その先の成田空港で降車した場合よりも運賃が高額になるという現象です。
現在、京成本線において、京成上野から成田空港までの運賃は、1000円ですので、成田新高速鉄道で行っても1000円と仮定します。成田空港より手前にある印旛日本医大駅までの運賃は、現在1070円となっているのです。
なお、鉄道事業法第16条「五」において、旅客運賃が「特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき」国土交通大臣は鉄道運送事業者に対し、旅客運賃の変更を命じることができるとされております。
北総線の高運賃問題を解決するためには、国や県、沿線自治体、関係者らが協力していくことがたいへん重要であると考えております。
当協議会では、これら関係者が協力していけるよう、国や県に要望しています。

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